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Genitourinary Cancer Today 2022 No.2
第109回日本泌尿器科学会総会:腎細胞がん
LB02-03 First-line (1L) lenvatinib (L) + pembrolizumab (P) or everolimus (E) vs sunitinib (S) for advanced renal cell carcinoma (aRCC): Phase 3 CLEAR Japanese subset
進行性腎細胞がんの一次治療としてレンバチニブ+ペムブロリズマブまたはエベロリムスとスニチニブを比較検討した第Ⅲ相CLEAR試験の日本人集団の解析
江藤 正俊氏(九州大学大学院医学研究院 泌尿器科学分野)
更新日:2022年3月15日
進行性腎細胞がん(RCC)に対する一次治療としてレンバチニブ(LEN)とペムブロリズマブ(PEMBRO)またはエベロリムスの併用とスニチニブ(SUN)単独を比較した第Ⅲ相CLEAR試験の日本人集団の解析が行われた。LEN+PEMBRO群の無増悪生存期間(PFS)は22.1カ月など、日本人集団においても全体の結果とほぼ一致する有効性が得られた。
CLEAR試験全体の成績1)としては、LEN+PEMBRO群のPFS 23.9カ月、奏効率(ORR)71.0%、完全奏効(CR)16.1%など、PFS、全生存期間(OS)、ORRにおいてSUN群に比べLEN+PEMBRO群が有意に優れていたことが報告されている(PFS:ハザード比[HR] 0.39、95%信頼区間[CI] 0.32-0.49、p<0.001、OS:HR 0.66、95%CI 0.49-0.88、p=0.005、ORR:relative risk 1.97、95%CI 1.69-2.29、p<0.001)。安全性についても管理可能であり、各薬剤の既知の安全性プロファイルと一致していた1-3)。
日本人集団におけるLEN+PEMBRO群42例、SUN群31例の患者背景は、年齢中央値LEN+PEMBRO群67.0歳、SUN群63.0歳、IMDCリスク分類 favorable/intermediate/poorはそれぞれ38.1%/61.9%/0%、35.5%/64.5%/0%、sarcomatoidの割合はそれぞれ14.3%、3.2%、腎摘除術未施行はそれぞれ38.1%、16.1%であった。
主要評価項目であるPFSはLEN+PEMBRO群22.1カ月、SUN群10.9カ月と有意差が認められた(HR 0.39、95%CI 0.20-0.74、p=0.0031、log-rank検定)。OSについては、背景因子未調整では有意差がなかったが、治療群とMSKCCリスク分類による調整後は全体と同程度の結果であった(HR 0.67、95%CI 0.18-2.39)。
ORRはLEN+PEMBRO群29例(69.0%)、SUN群14例(45.2%)、CRはそれぞれ8例(19.0%)、2例(6.5%)、PDはそれぞれ1例(2.4%)、4例(12.9%)であった。
腫瘍が75%以上縮小した患者の割合はLEN+PEMBRO群12例(35.3%)、SUN群4例(13.3%)であった。
LEN+PEMBRO群のLEN初期投与量は20mg/日であるが、日本人の投与量中央値は9.47mg/日、予定投与量に対する実際の投与量の割合の中央値は47.36%であった。投与量のスイマーズプロットから、LEN20mg/日投与中に最初の奏効がみられる患者が多く、日本人においても初期投与量は20mg/日から開始することの有用性がうかがわれた。
治験薬投与後に発現した有害事象(TEAE)について、重篤なTEAEはLEN+PEMBRO群23例(54.8%)、SUN群13例(41.9%)に認められ、LEN+PEMBRO併用のTEAEによる中止は7例(16.7%)、TEAEによるLEN減量は39例(92.9%)、治療期間中央値は17.41カ月であった。
LEN+PEMBRO群の主なTEAEは、手掌・足底発赤知覚不全症候群28例(66.7%)、甲状腺機能低下26例(61.9%)、下痢24例(57.1%)、高血圧24例(57.1%)、蛋白尿23例(54.8%)などであり、肝機能障害についてはALT上昇4.8%、AST上昇7.1%でいずれもgrade2以下であった。
LEN+PEMBRO群で免疫関連有害事象を発現したのは31例(73.8%)であり、ステロイド高用量(prednisone*40mg/日以上)の使用は7例(16.7%)、このうち14日以上継続は2例(4.8%)、30日以上の継続はなかった。
以上の結果から、江藤氏は、本邦においてもLEN+PEMBROの併用療法が進行性RCCに対する一次治療になりうることが示されたとまとめた。
*本邦未承認
1)Motzer R, et al. N Engl J Med. 2021; 384(14): 1289-300.
2)Motzer R, et al. Lancet Oncol. 2015; 16(15): 1473-82.
3)Taylor MH, et al. J Clin Oncol. 2020; 38(11): 1154-63.
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