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Genitourinary Cancer Today 2022 No.3
ASCO-GU 2022:膀胱がん

#434 TROPHY-U-01試験コホート3:プラチナ製剤を含むレジメン後に進行した、転移性尿路上皮がん患者に対するSacituzumab Govitecan+ペムブロリズマブ併用療法の検討

TROPHY-U-01 Cohort 3: Sacituzumab Govitecan (SG) in Combination With Pembrolizumab (Pembro) in Patients (pts) With Metastatic Urothelial Cancer (mUC) Who Progressed After Platinum (PLT)-Based Regimens
Petros Grivas氏(University of Washington, USA)
更新日:2022年4月20日
プラチナ製剤難治性の転移性尿路上皮がん(mUC)患者を対象に、新規抗体薬物複合体(ADC)のSacituzumab Govitecan*(SG)の有効性と安全性を検討するオープンラベル第Ⅱ相試験TROPHY-U-01から、SGとペムブロリズマブ(PEMBRO)の併用療法が、奏効率(ORR)34%、無増悪生存期間(PFS)中央値が5.5カ月と、有望な抗腫瘍効果を示すことが明らかとなった。
 
プラチナ製剤を含むレジメン後に進行したmUC患者は予後不良であり、治療選択肢も限られており、新規治療薬の開発が必須である。SGは、抗Trop-2抗体にイリノテカンの活性代謝物であるSN-38を結合させたADCで、2種類以上の化学療法の治療歴を有する転移性トリプルネガティブ乳がんと、プラチナ製剤を含む化学療法とPD-1/PD-L1抗体:免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の治療歴のある局所進行またはmUCに対する治療として、FDAに承認されている。ADCは免疫原性細胞死を誘発し、ICIと併用することで相乗効果をもたらす可能性が期待されている1)
   
TROPHY-U-01試験は、mUC患者を対象としたマルチコホート試験で、今回は、プラチナ製剤を含む化学療法で進行したICI未治療のmUC患者において、二次治療としてSGとPEMBROの併用を検討したコホート3(41例)の中間解析結果を報告した。
 
主な適格基準は、18歳以上、ECOG PS 0~1、クレアチニンクリアランス≧30 mL/分、十分な肝機能を有するなどだった。10例を対象とした安全性評価リードインパートで、SGの第Ⅱ相推奨用量は10 mg/kgと規定された。
   
投与スケジュールは、1サイクル21日としてSG (10 mg/kgをday1とday8に投与)とPEMBRO(200 mgをday1に投与)。進行(PD)または忍容できない毒性が認められるまで継続した。主要評価項目はORR、副次評価項目は安全性および忍容性、奏効期間(DOR)、PFS、全生存期間(OS)であった。
   
患者背景は年齢中央値67歳、ECOG PS 1が61%、遠隔転移あり78%、内臓転移あり68%、肝転移あり29%、化学療法の治療歴はシスプラチン68%、カルボプラチン29%だった。またBellmuntリスク因子が1以上の患者は76%だった。    
   
観察期間中央値は5.8カ月において、63%の患者で腫瘍縮小が認められ、完全奏効(CR)2%、部分奏効(PR)32%、安定(SD)27%、PD 29%で、ORRは38%、クリニカルベネフィット率(CR+PR+SD)は61%だった。奏効までの期間中央値は2カ月、PFS中央値は5.5カ月、DORおよびOSの中央値はいずれも未到達だった。
   
ORRのサブグループ解析では、全てのサブグループで奏効が認められ、内臓転移ありの患者35.7%、内臓転移なしの患者30.8%、肝転移ありの患者41.7%、肝転移なしの患者31.0%、Bellmuntリスク因子が0の患者40.0%、1の患者35.0%、2の患者27.3%だった。投与期間の中央値は、SGが4カ月、PEMBROが3.5カ月、32%の患者がデータカットオフ時に治療を継続していた。治療中止理由は病勢進行が51%、有害事象(グレード2)が3%だった。
   
治験薬投与下で発現した有害事象(TEAE)で主なものは、下痢(全グレード76%、グレード3以上24%)、悪心(同59%、5%)、貧血(同56%、20%)、好中球減少症(同44%、27%)、無力症(同41%、5%)、白血球減少(同29%、20%)などだった。免疫関連有害事象(irAE)のためステロイドの投与を受けた患者は25%(外用薬15%、経口薬10%)、グレード3/4の治療関連有害事象(TRAE)は59%の患者に発生し、39%がSGを減量した。TRAEによる死亡例は認めなかった。

*本邦未承認

1)Alt M, et al. Ther Adv Urol. 2020; 12: 1756287220980192.
 
監修 湯浅 健先生のコメント
SGはエンホルツマブ ベドチンと同様、新規ADCで、Trop-2に対する抗体部分、細胞障害性物質のイリノテカンの活性型SN-38、およびこの2つを結合するリンカーと3つの部分から成り立ち、mUCに対する治療としてFDAに承認されている。現在、SGの第Ⅲ相試験(TROPiCS-04)が進行しているが、今回の結果からSGとICI併用の早期での臨床試験も検討できると結論されている。