GCtoday_web_back.jpg

Genitourinary Cancer Today 2021 No.4
2021 JSCO・JSUO:腎細胞がん

#UP2-10 転移性腎細胞癌に対するCytoreductive nephrectomyのREMARCCスコアの有効性検証

沖田 和貴氏(弘前大学大学院医学研究科 泌尿器科学講座)
更新日:2021年12月22日
 REMARCCスコアが、チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)治療後の転移性腎細胞がん(mRCC)に対する腫瘍量減量腎摘除術(CN; cytoreductive nephrectomy)の患者選択に有用であることが示された。

 mRCCに対するCNは有効な治療戦略であるものの、CNに適した患者を選択することは容易ではない。近年、TKI時代にCNを選択する際のリスク分類として、performance status(PS)、BMI、転移臓器、転移数を用いたREMARCCスコアが報告されている1)。そこで今回、みちのくmRCCデータベースを用い、TKI時代の実臨床におけるREMARCCスコアの有効性に関する検討が行われた。

 対象は一次治療でTKI治療を受けたmRCC患者278例であり、CNを施行していない132例(非CN群)とCNを施行した146例(CN群)に分類された。
 意思決定曲線分析とc-indexを用い、CN群に対するREMARCCスコアの有用性について、IMDCリスク分類と比較検討した。また、REMARCCスコアの全生存率(OS)への有効性について、CN群と非CN群をプロペンシティスコア逆数補正(IPTWを用いたCox回帰分析)にて比較検討した。

 患者背景においては、年齢、ECOG-PS>1、IMDCリスク分類、転移数に両群間で有意差が認められた(それぞれp=0.008、p=0.037、p=0.016、p=0.007)。

 CN群におけるREMARCCスコアとIMDCリスク分類との比較については、OSに対するc-index、net benefitはいずれもREMARCCスコアの方がIMDCリスク分類より高かった。
 また、CN群のIMDCリスク分類の比較では、中リスクと高リスクでOSに有意差は認められなかった。一方、REMARCCスコア間の比較では、高値(>2)群に比べ低値(≦2)群でOSが有意に延長していた(p<0.001)。

 REMARCCスコアの項目における多変量解析の結果からは、転移数>3(ハザード比[HR]=2.13、95%信頼区間[CI]: 1.05-4.30、p=0.035)と骨転移あり(HR=1.98、95%CI: 1.18-3.33、p=0.010)が予後不良因子として示唆された。
 さらに、REMARCCスコアの低値群および高値群におけるCNの有無での比較では、REMARCCスコアの低値群ではCN群のOSが非CN群に比べ有意に延長していたが(HR=0.36、95%CI: 0.25-0.53、p<0.001、Cox回帰分析)、高値群ではCN群と非CN群の間に有意差は認められなかった。

 沖田氏は、「TKI治療を受けたmRCC患者に対するCN選択に関して、IMDCリスク分類よりREMARCCスコアの方が有効であり、そのなかでも転移の少ないmRCCに対してはCNにより予後改善の可能性があることが示唆された」とまとめた。

1)Marchioni M, et al. Eur Urol Oncol. 2021; 4(2): 256-63.
 
監修 近藤 恒徳先生のコメント
CARMENA study以降、upfront CNは否定されたような風潮であった。しかし最近になりCARMENA updateが報告され、intermediateで肺単独転移であればupfront CNでの全生存延長の可能性が示されるなど、症例選択が重要であるという流れを感じる。IMDC分類による適応選択では不十分として、いくつかのバイオマーカーの有用性が報告されている。本試験ではREMARCCスコアの有用性を日本人で確認したものである。Upfront CNが有用な患者を見逃すことがないよう、より的確な患者選択が進むことを期待したい。