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Genitourinary Cancer Today 2021 No.4
2021 JSCO・JSUO:腎細胞がん

#O54-4 未治療転移性腎細胞癌に対するNIV+IPI併用療法(J-cardinal study):

2年follow-up解析

Real-world data of nivolumab plus ipilimumab combination therapy in untreated metastatic renal cell carcinoma patients: an analysis of J-cardinal study with 2 years follow-up
中井川 昇氏(横浜市立大学医学部 泌尿器科学教室)
更新日:2021年12月22日
 日本人の未治療の進行または転移性腎細胞がん(mRCC)を対象としたニボルマブ+イピリムマブ併用療法の観察研究における2年follow-up解析結果から、奏効率(ORR)は43%(うち完全奏効[CR]率は15%)、2年無増悪生存率(PFS)が42%、2年全生存率は59%などの良好な治療成績が報告された。

 CheckMate-214試験1)の結果を受け、本邦では2018年8月に、未治療の根治切除不能またはmRCCに対するニボルマブ+イピリムマブ併用療法が承認された。しかし、同試験に参加した日本人は38例であり、より詳細な日本人のデータが必要とされ、日本人におけるニボルマブ+イピリムマブ併用療法の有効性と安全性を評価するため、本邦の9施設による後方視的な検討としてJ-cardinal studyが開始された。同研究では、2018年8月から2019年1月末までにニボルマブ+イピリムマブ併用療法を開始した患者が登録され、2019年5月、2020年2月、2021年2月に評価が行われた。

 登録された45例の平均年齢は68.8歳、男性が80%を占めた。CheckMate-214試験の患者背景とは異なり、非淡明型および不明が11例(24%)、腎摘除術施行18例(40%)、IMDCリスク分類の中リスクと高リスクが約半数ずつであった。
 2年のfollow-up時点で、治療を継続していた患者は5例(11%)、途中で治療を中止した患者は40例(89%)であった。中止の理由としては、病勢進行が15例(33%)、有害事象の発現が16例(36%)などであった。その後は22例(49%)が二次治療に進み、6例(13%)は無治療であった。

 奏効効果は、評価可能だった40例中CRは6例(15%)、部分奏効(PR)は11例(28%)で、ORRは43%であり、さらに安定(SD)は18例(45%)、病勢コントロール率(DCR)は88%と、CheckMate-214試験よりも比較的良好な成績であった。
 CRの6例中4例、PRの11例中3例では最終観察時点で効果が持続しており、SDを含め10例で病勢コントロールが得られていた。

 無増悪生存期間中央値は17.8カ月(95%信頼区間[CI]: 5.6-25.8カ月)、12カ月PFSは56%、24カ月PFSは42%であり、CheckMate-214試験と比べても遜色のない結果であった。
 また、全生存期間中央値は未到達、12カ月全生存率は81%、24カ月全生存率は59%であった。

 二次治療に進んだ22例の年齢や腎摘除術の割合、IMDCリスク分類の割合などについては、一次治療開始前の患者背景とほとんど変わらなかった。
 また、22例における一次治療の中止理由は、病勢進行が12例(55%)、有害事象の発現が9例(41%)などであり、二次治療では主にアキシチニブ(17例;77%)が用いられていた。
 二次治療における奏効効果は、評価可能だった15例中CRは0例、PRは3例(20%)、SDは9例(60%)、ORRは20%であり、DCRは80%であった。
 また、二次治療の無増悪生存期間中央値は9.8カ月(95%CI: 4.5-13.8カ月)、6カ月PFSは68%、12カ月PFSは32%であった。

 中井川氏は、「mRCCを対象とした2年間のニボルマブ+イピリムマブ併用療法の治療成績は、CheckMate-214試験と同程度の有効性を示した」とまとめた。

1)Motzer RJ, et al. N Engl J Med. 2018; 378(14): 1277-90.
 
監修 近藤 恒徳先生のコメント
本発表では少なくとも2年のフォローアップを受けている患者を対象にしており、まさに通常の実臨床における日本人での中長期成績を示した点で、興味ある発表である。臨床試験とほぼ同等の治療成績であったことから、われわれ臨床医にとっても適応のある患者に対しては、ある程度確証をもって実際に治療を勧めることができる。全生存率が治験データよりもやや低いが、症例数が少ないことが理由と思われる。ここは本試験の弱点ではあるが、長期データによりPFSやOSのlong-tailが得られるのかが興味あるところである。