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Genitourinary Cancer Today 2022 No.3
ASCO-GU 2022:腎細胞がん
#367 第Ⅱ相TITAN-RCC試験における免疫チェックポイント阻害薬(ニボルマブ±イピリムマブ)の新規奏効予測バイオマーカー
Novel predictive biomarkers of response to immune checkpoint blockade with nivolumab ±ipilimumab in the TITAN-RCC phase 2 trial
Marc-Oliver Grimm氏(Jena University Hospital, Germany)
更新日:2022年4月20日
局所進行性または転移性の淡明細胞型腎細胞がん(ccRCC)患者において、ニボルマブ(NIVO)単独療法の反応によってNIVO+イピリムマブ(IPI)併用を施行するかどうかを決める、テーラーメイド免疫療法アプローチを検討している第Ⅱ相TITAN-RCC試験から、奏効と関連する免疫細胞関連パラメーターの解析結果が報告された。NIVO単独の導入療法が奏効した症例は、4-1BBまたはLAG-3を発現するT細胞の割合が高く、NIVO+IPI併用のブーストサイクルの奏効例では、PD-L1発現の骨髄由来抑制細胞(MDSC)と形質細胞様樹状細胞の割合が高いことが示され、これらがNIVO単独またはNIVO+IPI併用の新規奏効予測バイオマーカーである可能性が示唆された。
試験の主な選択基準は、組織学的に転移性/局所進行性のccRCC、IMDC分類が中/高リスク、未治療またはチロシンキナーゼ阻害薬前治療歴が1回(一次治療または二次治療)、RECIST v1.1で測定可能な病変を有する、KPS ≧ 70などであった。NIVO単独による導入療法(2週間間隔投与)を16週目まで施行し、完全奏効(CR)または部分奏効(PR)の場合はそのままNIVO単独の維持療法を継続した。導入療法の8週目で進行(PD)した患者と16週目で安定(SD)またはPDの患者はNIVO+IPI併用のブーストサイクル(最長4サイクル)に移行した。ブーストサイクルを2サイクル施行した時点でCRまたはPRの患者はNIVO単独の維持療法に移行、4サイクル施行後にCR、PRまたはSDの患者もNIVO単独の維持療法に移行した。
バイオマーカー解析のための血液サンプルは治療期間中に複数回採取し、9種類の染色を用いたフローサイトメトリー解析によりT細胞、単球、MDSC、および樹状細胞(DC)の頻度と発現型を同定した。本発表ではベースライン(導入療法開始前)の免疫パラメーターと導入療法16週目の奏効の関連性、およびブーストサイクル開始前の免疫パラメーターとブーストサイクルの奏効の関連性について報告された。
ITT集団の登録患者数は207例で、年齢中央値65歳、男性比率71%、一次治療53%、二次治療47%、IMDC分類は中リスク71%、高リスク25%だった。137例がブーストサイクルを受け、これらの患者の背景はITT集団と同等だった。
NIVO単独の導入療法における奏効と強い関連性を示したベースラインのバイオマーカーは、4-1BB+CD8+と4-1BB+CD4+、およびLAG-3+CD4+のT細胞だった。奏効例では非奏効例と比べ、これらのバイオマーカーの割合が高かった。調整オッズ比(OR)は、4-1BB+CD8+が1.03(95%信頼区間[CI]: 1.01 – 1.07)、4-1BB+CD4+が1.05(95% CI: 1.02 – 1.08)、LAG-3+CD4+が1.03(95% CI: 1.01 – 1.05)であった。
またブーストサイクル奏効例では、ブーストサイクル開始前に採取したバイオマーカーのうち、PD-L1+CD14+とPD-L1+ early-stage MDSC、およびPD-L1+形質細胞様DCの割合が高いことが示された。調整オッズ比(OR)は、PD-L1+CD14+が1.22(95% CI: 1.06 – 1.58)、PD-L1+ early-stage MDSCが1.14(95% CI: 1.02 – 1.41)、PD-L1+形質細胞様DCが1.08(95% CI: 1.01 – 1.17)であった。
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