top of page

Genitourinary Cancer Today 2026 No. 1
ASCO-GU 2026:腎細胞がん
#460 転移性腎細胞がんにおけるペムブロリズマブ+アキシチニブとペムブロリズマブ+レンバチニブの直接比較:Canadian Kidney Cancer Information System (CKCis)データベースを用いたリアルワールドデータ解析
Head-to-head comparison of pembrolizumab-axitinib versus pembrolizumab-lenvatinib in metastatic RCC: Real world data from the Canadian Kidney Cancer Information System (CKCis) database
Alexandre da Silva Faco Jr.先生(McGill University Health Centre)
更新日:2026年5月8日
転移性腎細胞がん(mRCC)に対する一次治療として、ペムブロリズマブ+レンバチニブ(PL)とペムブロリズマブ+アキシチニブ(PA)の臨床転帰を比較したカナダの多施設後ろ向きコホート研究から、PLはPAと比較して、無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)を有意に改善することが示された。
mRCCに対するPLとPAはいずれもPFS、OS、奏効率の改善が認められ、広く用いられているが、両レジメンを直接比較したデータはない。そこで本研究では、カナダの腎がん患者データベースCanadian Kidney Cancer Information System (CKCis)を用いて、両治療の実臨床成績を比較した。
解析対象は、組織学的にmRCCが確認され、2021年2月以降に一次治療としてPLまたはPAを開始した18歳以上の患者632例であった。このうち549例(86.9%)がPA、83例(13.1%)がPLを受けていた。平均年齢はPL群64.8歳、PA群65.9歳であり、男性の割合は各々73.5%、73.6%であった。淡明細胞型はPL群82.5%、PA群75.9%、腎摘除歴は各73.5%、67.4%、骨転移は42.2%、32.4%、肝転移が33.7%、19.9%であった。IMDCリスク分類は、低リスクがPL群22.2%、PA群18.0%、中リスクが各51.6%、49.0%、高リスクは26.2%、33.0%であった。
PFS中央値はPL群27.27カ月、PA群16.26カ月、ハザード比(HR)は0.60(95% CI: 0.42 – 0.86、p=0.0048)で、PL群が有意に延長していた。年齢およびIMDCリスク分類の補正解析でも、PA群はPL群に比べて進行リスクが有意に高く(HR 1.81、p=0.0036)、またIMDCの中・高リスクはPFS短縮の独立した予後因子であった(HR 1.38、p=0.015)。
OSについても、PA群がPL群に比べて死亡リスクが有意に高く(HR 2.15、p=0.019)、IMDCの中・高リスクが独立した予後不良因子と示唆された(HR 1.94、p=0.001)。サブグループ解析では、淡明細胞型では両群ともOS中央値は未到達で、有意差は認めなかった。一方、非淡明細胞型ではPL群でOSの有意な延長がみられた。また、IMDCリスク別では、低リスクでは両群に差はなかったが、中・高リスクではPL群で有意にOSが良好であった。
治療中のTKIの用量変更は、減量がPL群50.0%、PA群35.3%に認められ、PL群ではより高頻度に用量調整が必要であった。一方、増量は各々2.0%、10.2%であった。
安全性は、両群とも有害事象の発現頻度は高かったものの、管理可能と評価された。主な有害事象は両群とも疲労、下痢、食欲不振であり、グレード3以上の蛋白尿の発現がPL群で53.8%、PA群で14.2%であった。グレード5の治療関連有害事象は両群とも認められなかった。
以上より、mRCCの一次治療においてPLはPAと比較して、PFSおよびOSの両項目で良好な成績を示した。これらの結果は無作為化臨床試験で示された有効性と整合しており、今後は、患者選定をさらに明確にするために、前向き比較試験の実施が望まれる。
アンカー 1
監修 三宅 秀明 先生のコメント
本邦の日常臨床において、ペムブロリズマブ+レンバチニブは進行腎細胞がんに対する一次治療としてもっとも高頻度に選択されている。レンバチニブはマルチキナーゼ阻害薬であり、免疫チェックポイント阻害薬との併用薬として、より大きな効果が期待されることは理論的にも明らかである。このことが、後ろ向き研究とはいえ、一定の規模の研究で示されたことの意義は大きい。同様にマルチキナーゼ阻害薬であるカボザンチニブを使用したニボルマブ+カボザンチニブと、ペムブロリズマブ+レンバチニブとの比較研究の結果に興味が持たれる。
bottom of page
