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Genitourinary Cancer Today 2022 No.5
APCCC 2022

更新日:2022年11月14日
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​監修

横浜市立大学附属

市民総合医療センター

泌尿器・腎移植科
診療教授

上村 博司先生

今回のAPCCC2022でも、PSMA-PET/CTの話題が多かった。欧米では、アカデミック施設を中心にPSMA-PET/CTを使用できるため、CTや骨シンチなどconventionalなイメージングと比較する知見が発表されつつある。「Mr. PSMA」ことオーストラリアのHofman教授の講演では、CTや骨シンチ診断による低腫瘍量のmCSPCは、精度の高い画像診断ができる次世代イメージングのPSMA-PET/CTを用いると偽陽性転移を減らすことができるだろうと述べている。したがってSTAMPEDE試験のarm-Hにおける低腫瘍量は偽陽性が含まれている可能性を指摘している。Morris教授の話題では、PSMAなど前立腺がんの生物学的な特性をもつ分子イメージングを使うと、転移の無いnmCRPCがより精度高く診断され、アパルタミドなどの新規ホルモン剤の効果(転移までの期間延長:MFS)が増す可能性を示した。

また、nmCRPCにおいて新規ホルモン剤が無効になる場合の画像診断の精度向上に、新たな分子イメージングの開発が望まれる。Jones教授の講演は、mCRPCの治療中に数個の新たな転移が出現するオリゴ進行をフォーカスしている。PCWG2では、治験を行う際の転移進行で新規骨転移が2カ所以上を認めた場合、続けての骨シンチで2カ所以外の新たな転移が確認できた場合を、転移進行と定義している。オリゴ進行が次世代イメージングで正確に診断できれば、次の転移出現まで待たないで、転移部位に放射線照射する治療(MDT)の可能性が示された。

進行前立腺がんの治療面では、新規治療薬の開発のほかに既存薬を併用した治験が多く行われている中、次世代イメージングの画像診断の評価が定まるかどうか、次回以降のAPCCCにおいて検討課題であるだろう。

セッション3:転移性ホルモン感受性前立腺がんの疾患管理
Session3: Management of metastatic hormone-sensitive prostate cancer (mHSPC)

転移性ホルモン感受性前立腺がんにおいて、従来の画像診断で低腫瘍量の患者が次世代画像診断では高腫瘍量と診断される場合 そのような状況はどの程度の頻度で発生するか?
When low-volume on conventional imaging goes into high-volume on next-generation imaging in mHSPC…how frequent is this situation?
Michael Hofman氏(University of Melbourne)

セッション4:非転移性去勢抵抗性前立腺がん(nmCRPC)の疾患管理
Session4: Management of non-metastatic CRPC

nmCRPCにおいて分子イメージングを活用する利点
Advantages of Molecular Imaging for nmCRPC
Michael Morris氏(Memorial Sloan Kettering Cancer Center)

セッション7:オリゴ転移およびオリゴ進行の前立腺がん
Session7: Oligometastatic and oligoprogressive prostate cancer

「オリゴ進行」前立腺がんは、臨床的意義のある明確な実態として存在するのか。もし存在するなら、どのように治療するか?
Does “oligoprogressive” prostate cancer exist as a distinct clinically meaningful entity and if yes, how to treat it?
Rob Jones氏(University of Glasgow) 
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