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Genitourinary Cancer Today 2022 No.5
APCCC 2022

セッション3:転移性ホルモン感受性前立腺がんの疾患管理

Session3: Management of metastatic hormone-sensitive prostate cancer (mHSPC)

転移性ホルモン感受性前立腺がんにおいて、従来の画像診断で低腫瘍量の患者が次世代画像診断では高腫瘍量と診断される場合
そのような状況はどの程度の頻度で発生するか?

When low-volume on conventional imaging goes into high-volume on next-generation imaging in mHSPC…How frequent is this situation?
Michael Hofman氏(University of Melbourne)
更新日:2022年11月14日
Hofman氏は従来の画像診断と次世代画像診断の間にあるズレを示す例として、骨シンチ+SPECT-CTの所見では骨転移が3カ所(低腫瘍量)であった患者がPSMA PETでは20カ所以上(高腫瘍量)同定された症例を挙げた。CHAARTED試験の基準では内臓転移および/または4つ以上の骨転移(うち1つ以上が骨盤もしくは脊椎外)を有する場合を高腫瘍量と定義している1)
STAMPEDE試験では低腫瘍量の患者(全体の42%)にのみ局所放射線療法(RT)の全生存(OS)ベネフィット(ハザード比[HR] 0.68)が認められ2)、さらに探索的解析から、局所RTのOSベネフィットは転移病変の部位に関わらず骨転移が3カ所以下の患者で高いことも示された3)。従来の画像診断に基づく転移量が局所RTによるOSの予測因子である可能性が示唆されたが、Hofman氏は骨シンチ検査で骨転移が3カ所見つかったもののSPECT-CTではそれらすべてが良性であった症例を挙げ、STAMPEDE試験ではSPECT-CTを使用していないため、このような偽陽性の症例が含まれた可能性があると懸念する。SPECT-CT(融合画像)は、別々に撮影したSPECTとCT画像の併用やSPECT画像単独と比べ、診断精度を向上させることが報告されている4)。同氏は、より高精度の画像診断を用いて特異度を上げ偽陽性を減らすことは、Stage migrationではないと強調した。

PSMA PET/CTの精度を検討した研究5)では、従来の画像診断(CT+骨シンチ)の精度が65%に対しPSMAは92%と有意に高いことが示された(p<0.0001)。PSMAは「不明(equivocal)」の割合が低く(23% vs 7%)、そのうち偽陽性の割合も低かった。Hofman氏は転移量を高精度に評価するためには、転移病変数を数えるのではなく、PSMA PET/CTを用いた定量的な総腫瘍量が適切であると考えられるとし、Barbatoらの後方視的研究6)を紹介した。この研究ではPSMA PETで半自動的に定量化した総腫瘍量から、CT画像に基づいたCHAARTED試験の定義による低腫瘍量と高腫瘍量を区分するカットオフ値を求めた結果、40mLが至適カットオフ値であったと報告している。さらに多くのエビデンスを得るには、PSMA PETを前向き臨床試験に組み込み、データを蓄積する必要がある。

同氏は、画像診断技術は日々進歩しており、2Dの骨シンチ検査に基づき間違った治療判断をすべきではないとし、より高精度の画像診断は偽陽性を減らすことができるのであり、Stage migrationとは異なると再度強調した。また、この発表の内容を転移性去勢抵抗性前立腺がんに当てはめて考えてはいけない、と付け加えた。

1)Kyriakopoulos CE, et al. J Clin Oncol. 2018; 36(11): 1080-7.
2)Parker CC, et al. Lancet. 2018; 392(10162): 2353-66.
3)Ali A, et al. JAMA Oncol. 2021; 7(4): 555-63.
4)Utsunomiya D, et al. Radiology. 2006; 238(1): 264-71.
5)Hofman MS, et al. Lancet. 2020; 395(10231): 1208-16.
6)Barbato F, et al. J Nucl Med. 2021; 62(12): 1747-50.