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Genitourinary Cancer Today 2022 No.4
ASCO Annual Meeting 2022:前立腺がん

#5083 転移性去勢感受性前立腺がん患者における新規ホルモン療法の2剤併用と3剤併用の間接比較

Indirect Comparisons of Triplet Therapy and Novel Hormonal Therapy Doublets in Patients with Metastatic Castration Sensitive Prostate Cancer
Syed Arsalan Ahmed Naqvi氏 (Mayo Clinic)
更新日:2022年9月2日

転移性去勢感受性前立腺がん(mCSPC)患者において、新規ホルモン療法(NHT)とアンドロゲン除去療法(ADT)の2剤併用にドセタキセル(DOC)を加えた3剤併用は、NHT+ADTの2剤併用と比べ、増悪までの期間または生存期間を延長させない可能性が、第Ⅲ相試験5件のデータに基づくネットワークメタアナリシスの結果から明らかになった。

mCSPC患者においてNHT+DOC+ADTの3剤併用は、DOC+ADTの2剤併用と比べて生存ベネフィットを有するが、NHT+ADTの2剤併用と比較した有効性は不明である。

本研究では、mCSPC患者において3剤併用を評価したか、または主な検討目的は2剤併用であるがDOCを使用したサブグループが含まれ、全生存期間(OS)と画像診断による無増悪生存期間(rPFS)を評価項目とした第Ⅲ臨床試験5件(ARASENS試験、PEACE-1試験、ENZAMET試験、ARCHES試験、TITAN試験)を解析対象とした。サブグループ比較からのハザード比(HR)と信頼区間(CI)は逆分散法を用いた対数変換後に統合し、複数の治療法の比較は、試験からサブグループ効果の推定値を使用し、頻度論に基づく固定効果モデルを用いて計算した。

被験者数は計5,804例で、NHT+DOC+ADTの3剤併用が1,421例、NHT+ADTの2剤併用は1,474例、DOC+ADTの2剤併用は1,415例、ADT単独は1,493例であった。

OSは、NHT+DOC+ADTの3剤併用がDOC+ADT併用と比べて延長していた(HR 0.74、95%CI: 0.66 – 0.84)が、NHT+ADT併用との比較では同等だった(HR 0.97、95%CI: 0.78 – 1.20)。NHT+ADT併用はDOC+ADT併用と比べてOSが延長していた(HR 0.77、95%CI: 0.64 – 0.92)。

rPFSも同様に、NHT+DOC+ADTの3剤併用はDOC+ADT併用と比べて延長していた(HR 0.49、95%CI: 0.40 – 0.59)が、NHT+ADT併用との比較では同等だった(HR 0.81、95%CI: 0.63 – 1.05)。NHT+ADT併用とDOC+ADT併用との比較では、NHT+ADT併用においてrPFSが延長していた(HR 0.60、95%CI: 0.50 – 0.72)。

研究グループは、本解析は腫瘍量などの潜在的な交絡を考慮していないため、解釈には注意が必要であると付け加えた。

 
監修 橋本 浩平先生のコメント

mCSPCにおけるNHT+DOC+ADTの3剤併用(triplet)の有用性が注目されているがNHT+ADTとの直接比較はない。本研究結果はネットワークメタアナリシスという手法で第Ⅲ相試験における各治療群の比較検討を可能にした。OSとrPFSの延長に関して、いずれもtriplet≒NHT+ADT>DOC+ADT>ADTという結果であった。この結果が転移様式(診断時にすでに転移を認めるde novo転移または局所療法後の再発で出現したmetachronous転移)、腫瘍量、転移部位の違いでどう影響を受けるのか、今後の検討が望まれる。