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Genitourinary Cancer Today 2022 No.4
ASCO Annual Meeting 2022:膀胱がん、胚細胞腫瘍

#4559 進行性尿路上皮がんに対するアベルマブの一次維持療法:一次化学療法への奏効で分類したサブグループにおけるJAVELIN Bladder 100試験の長期転帰

Avelumab first-line maintenance for advanced urothelial carcinoma: long-term outcomes from JAVELIN Bladder 100 in subgroups defined by response to first-line chemotherapy.
Begoña Pérez Valderrama氏(Hospital Universitario Virgen del Rocío)
更新日:2022年9月2日

プラチナ製剤を含む一次化学療法を4~6サイクル施行後に増悪を認めなかった、局所進行性または転移性の尿路上皮がん患者(700例)において、ベストサポーティブケア(BSC)にアベルマブの一次維持療法を加えたアベルマブ一次維持療法群(350例)とBSC単独群(350例)を比較検討した第Ⅲ相JAVELIN Bladder 100試験の探索的解析で、一次化学療法に対する奏効別に長期転帰を評価した結果、アベルマブの一次維持療法+BSCによる全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)の延長効果は、奏効の度合いに関わらず維持されたことが分かった。

本試験では、初期解析および観察期間を延長した長期解析において、アベルマブ一次維持療法+BSCがBSC単独と比べOSとPFSを有意に延長させたことが既に報告されている1,2)。今回の解析では、一次化学療法後の最良の効果判定により被験者を完全奏効(CR)、部分奏効(PR)、安定(SD)のサブグループに分類し、観察期間中央値38カ月以上の長期転帰を評価した。

OSのハザード比(HR)は、CRグループ(179例)が0.72(OS中央値:アベルマブ一次維持療法群39.8カ月 vs BSC単独群26.8カ月)、PRグループが0.70(OS中央値:19.2カ月 vs 12.8カ月)、SDグループが0.84(OS中央値:22.3カ月 vs 14.0カ月)で、全てのサブグループでアベルマブ一次維持療法群がBSC単独群に対して延長していた。

治験担当医師評価によるPFSにおいても、全サブグループでアベルマブ一次維持療法群が延長した(HR:CRグループ0.58、PRグループ0.47、SDグループ0.59)。

有害事象(AE)の発現率は、CRグループのアベルマブ一次維持療法群が 97.8%(Grade 3以上:51.1%)、BSC単独群は82.0%(Grade 3以上:16.9%)、PRグループはそれぞれ98.1%(Grade 3以上:51.9%)、76.1%(Grade 3以上:27.0%)、SDグループはそれぞれ98.9%(Grade 3以上:59.6%)、78.4%(Grade3以上:32.0%)で、サブグループ間で類似していた。アベルマブ一次維持療法群の主なAEは関節痛、そう痒症、無力症、下痢などであった。アベルマブの投与中断につながったAEの頻度もサブグループ間で同程度だった(CRグループ47.8%、PRグループ41.3%、SDグループ50.0%)が、投与中止に至ったAEの割合はCRグループが22.2%で、PRグループ(10.0%)およびSDグループ(12.8%)より高かった。

 

1)Powles T, et al. N Engl J Med. 2020; 383(13): 1218-30.

2)Powles T, et al. J Clin Oncol. 2022; 40(Suppl 6). Abstract 487

 
監修 近藤 千紘先生のコメント
転移性尿路上皮がんにおけるアベルマブは、一次化学療法後の維持療法として用いられる。今回、日常診療上の「化学療法の効果別にアベルマブの適用を検討すべきか」という問いへの回答が報告された。前治療の効果の程度によらず維持療法は有効であるという結果は、今後の診療において、患者医療者間の意思共有に資する重要な情報と考えられる。