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Genitourinary Cancer Today 2022 No.4
ASCO Annual Meeting 2022:膀胱がん、胚細胞腫瘍

#4516 EV-301試験の長期転帰:治療歴を有する進行性尿路上皮がんにおいてエンホルツマブ ベドチンと化学療法を比較検討した第Ⅲ相試験から、観察期間24カ月の結果

Long-Term Outcomes in EV-301: 24-Month Findings From the Phase 3 Trial of Enfortumab Vedotin vs Chemotherapy in Patients With Previously Treated Advanced Urothelial Carcinoma
Jonathan Rosenberg氏(Memorial Sloan Kettering Cancer Center)
更新日:2022年9月2日

プラチナ製剤を含む化学療法の治療歴があり、PD-1/PD-L1阻害薬の施行中または施行後に増悪した局所進行性または転移性の尿路上皮がん患者608例を対象に、エンホルツマブ ベドチン群(301例)と事前選択の化学療法群(307例)を比較検討した第Ⅲ相EV-301試験から、約2年の長期観察による解析結果が報告され、全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、および奏効率(ORR)におけるエンホルツマブ ベドチンの優位性は、中間解析および最終解析の結果と一致することが分かった。安全性と忍容性も既報と一致し、新たな安全性シグナルは観察されなかった。

本試験は最終解析でエンホルツマブ ベドチン群が主要評価項目のOS、副次評価項目のPFS、ORRにおいて有意に向上したことが報告されている1)。今回は2021年7月30日をデータカットオフ日とする観察期間を約1年間延長した有効性と安全性を評価した。観察期間中央値は23.75カ月、死亡例はエンホルツマブ ベドチン群207例、化学療法群237例だった。

OS中央値はエンホルツマブ ベドチン群12.91カ月、化学療法群8.94カ月(HR 0.704、95%CI: 0.581 – 0.852、片側p=0.00015)と、既報と同様エンホルツマブ ベドチン群が有意に長く、大多数のサブグループにおいてエンホルツマブ ベドチンのOSベネフィットが示された。PFSに関しても、エンホルツマブ ベドチン群が有意に延長した(PFS中央値:エンホルツマブ ベドチン群5.55カ月、化学療法群3.71カ月、HR 0.632、95%CI: 0.525 – 0.762、片側p=0.00001)。

確定ORRはエンホルツマブ ベドチン群41.3%(うち完全奏効[CR]6.9%)、化学療法群18.6%(うちCR 3.4%)、病勢コントロール率(DCR)がそれぞれ71.9%、53.4%で、どちらもエンホルツマブ ベドチン群が有意に高かった(ORR、DCRいずれもp<0.001)。

安全性解析集団587例(エンホルツマブ ベドチン群296例、化学療法群291例)における治療期間中央値は、エンホルツマブ ベドチン群4.99カ月、化学療法群3.45カ月だった。治療関連有害事象(TRAE)の発現率は、エンホルツマブ ベドチン群93.9%(Grade 3以上:52.4%)、化学療法群91.8%(同50.5%)、重篤なTRAEはそれぞれ22.6%、23.4%で、最終解析と同程度だった。TRAEによる治療中止はエンホルツマブ ベドチン群15.2%、化学療法群12.4%、進行を除いたTRAEによる死亡はそれぞれ2.4%(7例)、1.0%(3例)だった。エンホルツマブ ベドチン群で顕著なGrade 3以上のTRAEは斑状丘疹状皮疹(Grade 3以上:7.4%)、疲労(同6.8%)、末梢性感覚神経障害(同5.1%)などだった。エンホルツマブ ベドチンで特に注目すべきTRAEも最終解析と一貫していた(発疹44.9%、末梢神経障害48.0%、末梢性感覚神経障害事象45.6%、重度皮膚反応20.3%など)。

1)Powles T, et al. N Engl J Med. 2021; 384(12): 1125-35.

 
監修 近藤 千紘先生のコメント
エンホルツマブ ベドチンは、尿路上皮がんで初めて承認を得たネクチン-4に対する抗体薬物複合体 (ADC) であることや、本試験は中間解析で有効中止となったことから、長期使用における大規模な安全性情報には注意する必要がある。承認時の報告より、末梢神経障害や皮疹の報告は増加しており、日常診療でのサポーティブケアの重要性を改めて認識する必要がある。